- 2007-10-22 (月) 17:40
- 旅行
三日目。函館市内観光の後、夕方のAIR DO機で帰京の予定。
チェックアウトのついでに市電一日乗車券を購入し、駅のロッカーにバックパックを放り込んでから五稜郭へ、と、その前に途中下車して自由市場に立ち寄る。
蟹屋のオバチャンにタラバガニの生はないか尋ねたところ、浜茹でが主流とのこと。でもあそこなら・・・ともう一軒の蟹屋を教えてもらう。こちらで首尾よく生タラバを入手。任務終了、意気揚々と五稜郭へ向かう。朝一の時間だが観光客で混む五稜郭タワーを尻目に、函館市北洋資料館へ。函館の遠洋漁業にまつわる資料館で、コンパクトだが充実した展示。
100トン級漁船の操舵室を模したシミュレーターが面白い。スタートするとローリング40°級の猛烈なピッチングが始まり、北斎の神奈川沖浪裏もかくやという大波の映像が操舵室外のスクリーンに映し出される。
五稜郭公園に行く。月曜日なので私立函館博物館五稜郭分館は休館日。五稜郭奉行所の復元工事のため、公園の中心部には大規模な板囲いがなされている。史料上ありえない天守閣を鉄筋コンクリートで建てるというような冒涜物の城ではなく、古写真等をもとに考証にのっとって復元するらしい。説明書きを見るとかなりの威容を誇った建物だったようで、落成が愉しみである。もののついでに、堡塁の一つにでも銃砲と人形を配して箱館戦争の再現ジオラマを作ってくれんだろうか。露天だと傷むから無理か。
市電で谷地頭へ行き、碧血碑へ。停留所前の和菓子屋で大福を買い食い。甘味抑え目の江戸好み風。自宅の近くにあれば贔屓にしたいところだ。
さて、碧血碑まで延々歩きの開始。住宅街からちょっと小径に入ったところが参道だ。山道の趣の細い未舗装路で、新選組萌えの腐女子がうっかりパンプスなんかで辿ると後悔するに違いない。標高差がきつい。碑に着いた時には息切れがした。
樹木に囲まれた鬱蒼としたところで、しかしじめじめとした陰気さはない。新政府に憚りつつ建てられた旧幕府軍の弔い塔、という性格を知っているからそう感じたのだろうか。眼下に遠く函館港が見える。碑の周りは地味だがきちんと掃除されており、供えられた花のしおれ具合から見てもここが決して人々に忘れ去られた場所ではない事が判る。
函館八幡宮を経由して市電停留所に戻る。昼食にはぜひとも五島軒でカレーを、と意気込んで十字街で降りた。さて五島軒に着くと想像より格式が高そうなところで、ジーンズでサービスを受けるのは気が引ける。結局、うなだれつつ再度市電に乗り込み、五稜郭タワーの2階にある五島軒支店へ。ここはカレー専門のカジュアルな雰囲気で気軽に入れる。最も伝統的なイギリスカレーを注文。帝国ホテルの流れを汲んだ、中辛のバランスの良い味。
また市電に乗り、今度はどっく前へ。たまたま来た車両が39号車「函館ハイカラ號」だった。明治時代に製造された車両が除雪ササラ電車に改造され、長らく事業用として使用されていたものを原形に復元した貴重なものである。嬉々として乗り込む。
当車は内装にも無垢の木材と真鍮を使用しており、本物の素材が重厚な存在感を放っている。よくありがちなレトロ風観光車両とは一線を画している。乗っているだけで嬉しくなるが、現地の人にとってはいちいち車掌から切符を買わねばならないのがわずらわしいらしい。見ていると当車を敬遠してすぐ後続の一般型ワンマン車に乗り込む人が多い。そのおかげで当車はほぼ貸し切り状態だ。揺れも激しい。原形が古い2軸ということもあるのだろうが、軌道の本格的な補修が必要なようだ。帰路で最新鋭の超低床LRV、9601号車にも乗れたが、やはり揺れるところでは揺れる。
どっく前停留所の親切なおねいさんに港に帆船が入港していると教わる。急いで埠頭に行ってみたが既に港内の奥へ進入しつつあり、タンカーの向こうの3本マストしか見えなかった。そのかわり、海保のカッターが今まさにもやい綱を解いて出港しようという場面に遭遇。駆けつけて見学する。
そろそろ時間となったので西波止場で土産物を物色。予想通り「白い恋人」はきれいさっぱりと撤去されていて、その旧領土を六花亭とロイズとが争っている。くじら汁のパックとカール・レイモンのサラミ、北見ハッカのミントティーバッグを自家消費用に調達する。
駅でバックパックを回収。バスの時間を間違えて乗り逃し、やむなくタクシーを使う。湯の川あたりまで市電で行ってからタクシーに乗り換えた方が金の節約になった筈だが、まあ今さら仕方ない。湯の川まで行ったらタクシー捕まんなくて俺涙目という展開もあり得た訳だし。
AIR DO機は初体験。ローコスト運営ということであるがみすぼらしい雰囲気はまったくなく、むしろほのぼのとした手作り感が気持ちよい。 困る事というと羽田空港の駐機スポットが外れの方なのでかなり歩くという位だが、機内預け荷物がターンベルトに出てくるタイミングにちょうど良い按配なので不都合というほどではない。
モノレールの荷物置場にバックパックを置き、パイプに腰かける。ま、これで長年の心残りを大分消化した今回の旅も無事終わったな、と。
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